不動産投資を実践する上で、”借金”との付き合いは切っても切り離せません。
多くのお客様がローンの活用を前提に不動産投資を検討されますが、
借入れ(ローン)については根強い抵抗感を持つ方もいらっしゃり、
不動産投資を始めるか否か、二の足を踏む原因のひとつになっているのではないでしょうか。
今回の記事では不動産投資における借り入れについて考えてみたいと思います。
まず、借金に対しては多くの人が”悪いもの”という印象をお持ちではないでしょうか。
他人のお金を借りるのは、なんだか悪いことをしている気分になる人もいるかもしれません。
確かに、『借りなくて済むなら借りたくない』と思う方も少なくないと思いますが、
事、不動産投資においては必要不可欠と言っても過言ではない要素となります。
結論から申し上げますと、借入こそ不動産投資の醍醐味なのです。
金融機関からお金を借りて投資物件を購入し、
その後は入居者からいただく毎月の家賃収入でローンを返済していく・・・
言ってみれば不動産投資は他力本願な投資です。
なんとも都合の良い投資スタイルなのです。
株を取引するためには銀行はお金を貸してくれません。
いくら為替について詳しい人でも、FXをするために融資をしてくれる金融機関はありません。
良く言われるセリフですが、唯一借り入れが可能な投資が”不動産投資”なわけです。
とは言っても、『やはり借金は怖い』と感じる方もいらっしゃると思います。
しかしながら、多くの方は当たり前のように住宅ローンを組みマイホームを購入しています。
マイホームの借金はできるのに投資用のローンには酷く抵抗を感じられるのは、
わたくしは少し不思議に感じるのです。

多額の住宅ローンを組んで、
もしあなたに万が一のことがあっても代わりに払ってくれる人はいません。
考えたくありませんが亡くなってしまえば、団体信用生命保険(いわゆる団信)があるので、
ほとんどの場合、生命保険会社が代わりに住宅ローンを完済してくれますが、
事故や病気にあって、幸い命は取り留めたものの、もし働けなくなってしまったら、
住宅ローンの支払いが重たく家計を圧迫することは間違いないでしょう。
そうでなくても、子供の学費や親の介護でお金がかかるかもしれない働き世代にとって、
毎月多額の住宅ローンを返済する事は容易なことではないでしょう。
それに対して、投資用ローンというのは、入居者から頂く毎月の賃料を基に返済します。
つまり、みなさんのお給料から支払うわけではないのです。
不動産投資を少し勉強された方なら、当たり前すぎて何とも感じないでしょう。
しかし、全く不動産投資に触れてこなかった人にはきっと新鮮なロジックに見えるはずです。
ちなみに万が一、投資物件の所有者(債務者)が亡くなってしまった際には、
ご自宅の住宅ローンと同様に団体信用生命保険が適用され、
生命保険会社が代わりに投資用ローンを完済してくれますので、
無借金の状態で残された家族へ投資物件が相続される事になります。
つまり、その後の賃料収入が残されたご家族の生活を守ってくれるでしょうし、
物件自体を売却してしまえば、まとまった現金を手にすることもできるのです。
その反面、ご自宅の場合はたとえ借金が無くなったとしても収益は生まれませんので、
残されたご家族のその後の生活費については考慮しなければならないでしょう。
そう考えますと、やはり私はマイホームの借金より投資用ローンの方が
余程安心して利用できると思うのですが、皆さんはいかがでしょうか。
もちろん、借り入れには金利の上昇リスクが伴います。
言うまでもなく金利自体は誰にもコントロールすることはできませんので、
金利の上昇リスクを低減させるには残債(借金)自体を減らすしかありません。
当然ですが、100万円に対する5%と1億円に対する5%では、
同じ5%でもインパクトが全く異なります。
従いまして、住宅ローンでも投資用ローンであったとしても、
①過度な借り入れはしない という事に加えて、
②適度な繰り上げ返済を行う という2点が重要だと考えます。
不動産投資は、如何に他人のチカラを活用するかが肝となります。
効率的な不動産投資のためにも、適切な範囲内で借り入れを活用しましょう。
以上